残念なカン違い…
こんにちは、おくなんです。
今日は勘違いのお話をします。
漢字にはさまざまな成り立ちがあるのはご存知ですよね。
・象形文字【月や木】
目に見える物の形を線で描いたもの
・指示文字【上や下】
形として表現しにくい様子を、点や線使って表したもの
・会意文字【岩や森】
象形文字や指示文字などを二つ以上組み合わせて、元ある漢字とは違った意味を表すもの
・形声文字【草や緑】
発音を表す漢字と、意味を表す漢字を組み合わせたもの
前置きはこのぐらいにして、今日ご紹介する字は『湊』です。
みなさんはこれを読めますか?
まず、字の詳細を見てみましょう。
『湊』
12画 部首さんずい 読み ソウ みなと あつ(まる)
漢字の意味
港、船着き場。
あつまる、あつめる。
子供の名前にするなら、きっと周囲の注目を浴び信頼できる人がたくさん集まって活気あふれる人生を送ってくれることを願うでしょう。
※2012年から常に上位10位以内をキープするほどの人気振りです。
ただ、勘違いをされている方が近年増しています。
それは『奏』という字とごちゃ混ぜになっている人が多いということです。
『奏』
9画 部首 だい 読み ソウ かな(でる) すす(める)
漢字の意味は
すすめる、たてまつる、申し上げる。
かなでる、音楽を演じる。
この二つの字を混同して考え、勘違いをして『湊』という字を『かなで』と読ませる方が急増しています。
上記で説明した漢字の成り立ちからみて『湊』は形声文字で『奏』は会意文字です。
漢字の意味も違ってきますので、もし字面がいいという理由や、どうしてもこの字を使いたいという理由であれば名前に込める意味もまた変えなければ、せっかく考えた名前が残念な結果となってしまいます。
子供が大きくなって、幼稚園や小中学校に通うようになり、その度に先生に読み間違えられる子の事を思うと考えさせられませんか?
「そう読ませているんだ!」
「なんと読ませるかは自由だ!」
「そんなこともわからないのか!」
この言葉で救われるのはおそらく、子供の傷ついた心ではなく、親のエゴだけではないでしょうか?
『奏』『湊』どちらもステキな意味を持った字です。
字面や画数だけでなく、その子の未来への願いを込めた本当の、本来のあるべき漢字を与えてあげませんか?